古巣の病院の安定感。安堵の涙が止まらない。。 - さっさんのふんばる子育て記

カテゴリーで絞り込む

スポンサーリンク

闘病記

古巣の病院の安定感。安堵の涙が止まらない。。

更新日:
投稿日:

0

 

2017年9月26日。

A病院入院8日目。

そしてこの日は、A病院を退院した日。

 

不可解な判断により肝動注化学療法を開始したものの、肝動注の管のキャップの閉め忘れという、あり得ない医療ミスにより、

大量出血。。

 

蛇口を全開にしたホースから暴れ出る水のように、妻の血液が床一面に飛び散りました。

 

もう善処する余地はない。

A病院側に強く主張し、
退院を決定させました。

 

本当は穏やかに立ち去りたかった。

 

色んな苦痛があったからこそ。
退院の時くらいは穏やかに。

そう思っていたけど。

でもそれは叶わず。

 

A病院の最低な医療によるストレスに気を取られ、忘れかけていた本来の敵。

癌細胞が牙を剥いてきました。

 

肝転移し増大した腫瘍が、肝臓内の血管を圧迫する事により発生したと老医師は言っていた、

繰り返す激しい吐血。

 

私は為す術もなく立ち尽くし、
ただただ、吐血がおさまるのを待つしかありませんでした。

 

正午。

A病院を立ち去る時間が来ました。

妻の吐血は一旦おさまった。

 

本来であれば退院後は自宅に帰る事が出来たはずでしたが、私はそのまま主治医が勤めるK病院に向かいました。

K病院は告知を受けた病院であり、ずっと抗がん剤治療を受けていた、いわば古巣。

家からも近く、信頼出来る主治医もいる。

 

困った時はいつもK病院に足を運んできました。

 

妻を助けて欲しい。

事前に主治医には連絡をしていました。
既に受け入れ体制を組んでくれている。

 

スポンサーリンク

 

あとはこのまま。

何ごともなく到着すれば、
妻は楽になれるはず。

 

A病院からK病院までは高速道路を使っても1時間。

長い道のり。

妻は無言。
顔は青ざめ何かに耐えている様子。

 

嘔吐してしまった時に備え、
ビニール袋を手元に置いていました。

 

高速に乗る。

早く早く着いてくれ!

あまりにも動揺すると事故を起こしかねない。

落ち着け落ち着け。。

その時でした。

「オオェッ!」

 

今日3回目の吐血。

 

妻も予期出来ないくらい唐突にやってきたようです。

ビニール袋の用意が間に合わず、妻の洋服と車のシートベルトには血がべっとり。。

車内に充満する鉄の匂い。

 

「オオェッ!オオェ!」

止まらない!

苦しそうにしている妻に、
運転中の私は今度こそ何もしてあげらない。

 

ここは高速道路。
私はハンドルを強く握り。

「助けてくれ。誰か助けてくれ。。!」

心の中で叫びながら涙を堪えていました。

そして。
絶対に事故は起こさない。

 

「頑張れ!頑張れ!」

妻を励まし、自分を励まし。

 

1時間後。

ようやくK病院に到着しました。

 

着いたのは13時過ぎ。

不幸中の幸いな事に、K病院の午後の部の診療時間は15時から。

着いてすぐに顔馴染みの看護師が車椅子を用意して玄関に迎えに来てくれました。

 

「すぐに治療室に向かいましょう。検査の準備をして、皆スタンバイしています。」

車椅子に妻を乗せ、治療室に向かうと。
主治医と数名の看護師がそこにいて、

すぐに胃カメラが出来る状態になっていました。

 

スポンサーリンク

 

吐血の原因を想定で終わらせてはならない。

私はA病院の老医師の見解を主治医に伝えていました。

 

でも、主治医はこの目で確かめたかったようです。

そして胃カメラの検査に私も同席するように勧めてきました。

この目でしっかりと見てもらうこと。

そして何より。
検査中の妻の不安と苦痛を解消させてあげるために、私が必要である事を主治医は理解していました。

「奥様の手をしっかりと握ってあげていて下さいね。」

私は妻の手を強く握りました。

 

妻の胃の内部が映し出される。

血液の残痕が見られたが、溜まってはいない。

そして食道に張り巡らされた血管が明らかに膨張し、ちょっとした刺激で今にも破れそうになっている。

「オオェッ!」

胃カメラによる検査は決して楽ではない。
今の妻の状態での胃カメラは、尋常ではない苦痛を伴っていました。

 

「もう少しだ!頑張れ!」

妻は私の手をしっかりと握り返し、
苦痛を乗り超えました。

 

胃カメラの結果。
主治医の見解は老医師と同じ見解。

肝臓内の腫瘍が増大し、門脈が塞がれる事によって血液が食道に流れ込み、食事や咳などの刺激で破損した血管から流れ出た血が胃に溜まった。

 

老医師の言っている事は正しかったようです。

 

大量出血によりヘモグロビンの値は6.7まで下がっていたので 、今日明日と輸血をする。

 

入院するための病室は個室が用意されていて。

K病院に辿り着いてからの胃カメラ検査から入院手続き、輸血などの治療の流れ。

見事な段取りで事は進みました。

 

古巣の病院の安定感。

病棟の看護師達は、みんな顔馴染みで。
古巣に帰ってきた妻の容態を心から心配してくれる。

 

綺麗な個室。

家から近いので。
窓から眺める景色は、我が家から見える景色に似ている。

こんなにも違うのか。。

 

研ぎ澄まされた緊急感は一気に緩み。

涙が溢れました。

 

そんな私を。
妻が見ていました。

 

そして一言。

「あーあ。お腹空いたなぁ。」

 

そういやお昼ご飯食べてない。。

私は安堵の涙が止まらなくなりました。

 

前の闘病記:繰り返す激しい吐血。命がけの退院。
次の闘病記:医療格差の現実から学ぶべきこと。

0

-闘病記

Copyright© さっさんのふんばる子育て記 , 2019 All Rights Reserved.