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闘病記

繰り返す激しい吐血。命がけの退院。

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2017年9月26日。

A病院入院8日目。
この日はA病院を退院する日でもありました。

 

ほんの8日間なのに。
永遠に続くような地獄を味わった日々。

 

最初は淡い期待から始まり。

病院側の態度に不安を感じ。

何の説明も無い抗がん剤治療に疑いを抱き。

頼みの肝動注を拒否する医療に怒り。

最後はあり得ない医療ミスに恐怖を覚えた。

 

こんな8日間を終えて。
私が総じて感じたもの。

 

それは敗北感。

 

国立がん研究センターに匙を投げられて、他に行くところも無くなった時。

最後の最後に大きな賭けに出た。

 

今まで食事療法やハイパーサーミア、高濃度ビタミンC治療など色々と勝負をして来て、勝てた事は確かに1度も無かったけど。

こんなに壮絶な敗北は考えられなかった。

 

妻も言っていました。

頭が痒い。
シャンプーがしたい。
浴室は使えないから流し場で髪を洗った。

隣には痩せ細った高齢者が、
同じように体をねじらせ髪を洗っていた。

 

敗北感を感じた。

この話を聞いた私は胸が苦しくなりました。

 

この話は以前ブログでも書きました。

敗北感

 

私達は負けたのだ。

こんな無惨な敗北に賞賛の拍手など無い。

 

私達夫婦は。
痛む傷をなめ合いながら、最期の時を迎えるしか無かったのです。

 

退院の予定は午後。

何とか開始まで漕ぎ着けた肝動注治療。
せめて1回分だけでも終わらせたかった。

1回目の5FUの投入が終わるのが午後でしたが、妻の忍耐力は限界をとっくに超えていました。

 

「中止して今すぐ帰りたい!」

妻が騒ぎ始めました。

 

せめて1回分は。
と私も思いましたが。

妻の意思は固く。
私は妻の意図を汲み取りました。

そして、退院の手続きを開始するよう看護師長に伝えました。

 

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私は、肝動注治療に効果が得られた場合、主治医のいる病院で肝動注治療を継続する可能性を捨て切れていなかったのです。

最期まで諦めたくない。

 

でもそれは欲張り過ぎたかもしれません。

だからこんな大敗を喫したのかな。。

 

退院の手続きが進み、そろそろ肝動注の針を抜こうかと思っていた矢先でした。

 

ふいに妻が嘔吐しました。

朝ご飯は結構しっかりと食べていたので、少し無理をし過ぎたかなと、最初はそう思いました。

 

でも普段の嘔吐とは様子が違いました。

洗面台に吐き出した吐瀉物はドス黒く、
部屋に充満する鉄臭い匂い。

嘔吐のリズムが早い。

 

明らかな吐血。。

 

背中をさすってあげなければ。。

激しく吐血する妻の姿に、
近寄りがたい雰囲気を感じてしまいました。

 

ど、どうすれば。。

普通の病院ならナースコールをして、看護師に助けを請い。医師に診てもらうのが通常。

でもここではそれは叶わない。

無意味にぶら下がるナースコールのボタンに手を伸ばす気にはなりませんでした。

 

一旦吐血は落ち着きました。

 

とにかく早くこの病院から逃れること。

私は主治医に連絡し、妻が激しく吐血した事。
A病院を今から退院し、その足でそちらの病院に伺い、診てもらう事は可能かを問い合わせました。

回答は「可能」。

本当に有難い。

主治医もまた、いつも全力を尽くしてくれました。

 

30分後。

2回目の吐血。

今度はもっと激しい。

 

呼吸が出来ないくらいに激しく吐血する。

 

さすがにナースコールに手が伸びました。

 

何とかしてくれ!

妻を助けてくれ!

 

看護師が2名。
すぐに来てくれました。

 

「これは大変!」

看護師も動揺していました。

 

「ちょっと。すぐに清掃業者に連絡して。このままだと洗面台が詰まっちゃう。」

 

看護師が動揺していたのは。
激しく吐血する妻の状態に対してではなく、吐瀉物により、詰まりそうになった洗面台に対してでした。

 

もう怒る価値すらない。

 

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妻はまだ肝動注に繋がれている。
抗がん剤が断続的に注がれている。

吐血の原因はこの時明らかではありませんでしたが、すぐに中止すること。

肝動注の針をすぐに抜いてもらいました。

 

まだどこかで出血は続いていました。

でも一旦。
全てを出し切る事が出来たのか、
また妻の吐血は落ち着きました。

 

ついに退院の時。

退院前に私は診察室に呼ばれ、最後に院長と対面する事が出来ました。

 

老医師は途中で治療を中止する結果になった事、もう少し早く来てくれればもっとまともな結果になっただろう事を、

残念そうにしていました。

 

そうですか。すいませんね。

 

私は吐血の原因だけ知りたかった。

妻の身に何が起きている?

私は肝破裂を疑っていましたが、肝破裂では吐血は起きないとの事。

 

老医師の見解は、

肝臓内の腫瘍が増大し、門脈が塞がれる事によって血液が食道に流れ込み、食事や咳などの刺激で破損した血管から流れ出た血が胃に溜まったのでは、

との事だった。

 

私は老医師に礼をし、妻と共にA病院を後にしました。

 

ついに逃れる事が出来た。

もう二度と来る事はない。
近寄りたくもない。

そう思っていました。

 

でもそうは行きませんでした。

 

最期の力を振り絞り。

妻と私は。
またA病院に足を運ぶ日が来るのです。

 

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