軽井沢の地で最高の思い出を作る。 - さっさんのふんばる子育て記

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闘病記

軽井沢の地で最高の思い出を作る。

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2017年9月13日。

腹水、黄疸の出現。
骨転移、乳転移の発覚。

肝臓の腫瘍も正常な部分を覆い隠すように広がり、形が崩れ始めている。

余命も宣告され、あまりにも過酷な現実。

 

治験参加の希望は残っていました。

その結果は明後日に知らされる。
でも、参加出来る可能性は3〜4%。

参加できれば一発大逆転の可能性はあるとはいえ、100%効果がある訳ではない。

参加出来たとしても奏功率は半分以下だろう。

 

余りにも過酷な現実は、その現実を逃避したい心境にさせるには充分過ぎるくらいのものでした。

 

そして。

その現実をさらに逃避させるのに充分なイベントを用意していました。

 

軽井沢旅行。

 

旅行というのは不思議なものです。

 

どんな辛い宣告を受けたとしても。

その間に旅行というイベントが挟んでいると。
不思議と精神的に乗り越えられる。

少なくとも妻はそんな心境だったようです。

 

そうやって上手く現実から逃れていた妻。

 

私はこの軽井沢旅行は

不安8割
楽しみ2割

といった所でした。

 

妻の体調はギリギリ。

オプソとMSコンチンで疝痛をコントロールしながら、発熱、腹痛、嘔吐など様々な症状が妻を襲っていました。

 

でもこの日を生き甲斐にしてきたのは妻。

妻の思いを胸に私は車を出発させました。
ちなみに1歳になったばかりの息子はお留守番。

 

何かあった時のために。
軽井沢近辺の病院は検索しておきましたし。

いざとなったら医療機関の間で連携出来るよう
主治医にも伝えておきました。

 

東京-軽井沢への道のりは長い。
道も曲がりくねっていて。

常に悪心がある妻には辛かったようです。

ドンペリドンとプリンペランとトラベルミン。

 

薬の力を頼っていても。
車内で嘔吐してしまいました。

 

でもようやく着いた軽井沢。

空気が澄んでいてとても気持ちが良く。
妻の体調もすぐに回復したようです。

 

ランチはベジタブルカレーを選んでいました。

 

ご飯を本当に美味しそうに食べる妻を見ているのは、全く飽きません。

この日は軽井沢アウトレットで一日を過ごしました。

買い物をしている間は全く体調の不安を感じさせない妻。

 

以前プリキュアショーで2時間並んでもビクともしない妻を見て驚きましたが、何かに夢中になっている時は癌の苦しみや痛みも克服出来るようです。

5時間以上歩き回っていましたが、全く疲れを見せませんでした。。

 

宿泊先はアウトレット近くにある軽井沢プリンスホテルでした。

 

ゆっくりと露天風呂に入り、
夕食はまたアウトレットに戻り、ラーメン屋さんで美味しい食事を頂きました。

 

ラーメン屋さんで妻は泣いていました。

 

泣いている理由はこの時分かりませんでした。
もちろん泣いてしまう理由は沢山ある。

現実を考えれば涙なんかすぐに出てくる。

でもこの時の妻の涙には明確な理由がありました。

 

軽井沢プリンスホテルには素敵なラウンジがありました。

夜になると薄暗くライトアップされて。

家族3人が素敵な時間を過ごすのにピッタリの空間がありました。

 

貴重なスリーショット写真。

何もかもを忘れてしまう事が出来る。

旅行には不思議な力がある事を
この時私も知りました。

その後は部屋でゆっくりしました。

妻は思い出に残るような
あるアイデアを持ち込んでいました。

 

軽井沢から自宅へ娘宛に手紙を書くこと。

 

いつの間にやら可愛い封筒と便箋を用意していました。

 

少しだけ字を書けるようになった娘は
ママ宛に手紙を書いていました。

軽井沢の消印を思い出の記録にして
手紙を自宅宛に送るなんて。

 

そんなアイデア全く思いつかない。

 

そんな発想が出来るのは母親だからなのか。
この人だからなのか。

 

私だったら逆立ちしても子供達に与えてあげられない素晴らしい発想。

そんな妻を失う悲しさを心に秘め、
手紙を書きながら娘と談笑する妻の姿を、
私は静かに見つめていました。

夜が深まり

娘を寝かしつけて。

 

夫婦二人の時間。

 

不安8割
楽しみ2割

と思っていた旅行も
妻の体調も崩れる事なく無事。

ホッと胸を撫で下ろしていました。

 

でも妻は。

私に対して言いたい事があったようです。

 

私も。

自分自身が気付かないうちに
そうなっていた事に愕然としました。

 

長い夜は続きます。

 

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